連盟長 福田 督
●ボーイスカウト活動は、「幅広い年齢層の中で人間関係を学びつつ逞しく育つ」点に特徴がある。どんな年齢層とも自然に交われる力が身に付く。
幼少時から青年までの幅広い年齢層(6歳から指導者を含めれば70歳台まで)が同じ団に所属し、指導者のもとよく遊びよく学びながら逞しく成長していく。
ゲーム、野外活動や研修、奉仕あり、時に喧嘩ありの殆ど経験すべきあらゆることを体験するが、時に放任、時に指導や叱責、仲裁を受けながら健全な心身を育んでいく。TVのない時代は、学校から帰ると近所の子供たちが皆戸外に出て夕暮れまで遊びまくった。年齢も皆違い、ガキ大将が仕切るが喧嘩の仕方、治め方も教え、近所の大人たちも遠慮なく他所の子供たちを注意した。それだけに人間として多くが学べ、健全な育ち方をした。
●一方、現在の子供たちの多くは、学校の同級生を中心に狭い年齢層での交流しかなく、学校、家庭とも進学へ偏向した環境にあることから、皆と遊ぶ時間は僅少であり、他人の気持ちの把握や付き合い方など「人間関係力」といったものは断然稀薄である。「他人との人間的な距離感が掴めない」事からくる不安・焦燥感、自信のなさが、弱者をいじめる側に加担することにより「仲間に入れてもらう」、「自身は疎外されたくない」とする歪んだ連帯感、負の仲間意識を生んでいると考える。若者の衝動的犯罪も然り。他人との距離感が分からぬ、争いの経験もなく、まして治め方も知らぬゆえ、不安に任せ激情に走り重い罪を犯してしまう。
●若者のいじめや衝動的犯罪を社会問題として捉えるのは正しいが、その源泉がどこにあるか把握せず、問題の軽減、払拭しようとしても効果ない。表皮に繁茂しているカビをぬぐっても皮下にある原因を撲滅しない限り完全な消滅は期待できぬ。「健全な心身をもった人間関係力のある青少年の育成」への復帰が真の治療薬、解決策ではなかろうか。ボーイスカウト活動にはそれがある。
